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歯の一部が白いのはなぜ?白い斑点・白い塊の原因と治療法|歯科医師監修
この記事の結論
歯の一部が白い・白い斑点があるときの主な原因は、①初期むし歯(脱灰)②エナメル質形成不全(MIHを含む)③歯のフッ素症④歯垢・歯石の付着の4つです。ホワイトニングの後に、もともとあった白斑が一時的に目立つこともあります。歯ブラシでこすっても取れない白い部分は初期むし歯の可能性があるため、痛みがなくても早めに歯科医院で確認することをおすすめします。
「鏡を見たら、歯の一部だけ白くなっている」「ホワイトニングはしていないのに、白い斑点がある」「歯に白い塊がついている」。このようなご相談は、当院でもよくいただきます。
白い部分は痛みがないことが多く、そのままにされがちです。しかし原因によっては、むし歯の始まりのサインであることもあります。この記事では、歯の一部が白くなる原因と見分け方、治療法について、難波の歯医者「クレモト歯科なんば診療所」が解説します。
歯の一部が白くなる原因【早見表】
歯が部分的に白く見える原因は、白さの特徴からある程度見当をつけられます。ただし最終的な判断には歯科医院での診察が必要です。
初期むし歯(脱灰)

※画像はイメージです
見た目の特徴:ツヤのない、チョークのような白さ
できやすい場所:歯と歯茎の境目、矯正装置がついていた周り
こすると取れる?:取れない
受診の目安:早めに受診
エナメル質形成不全・MIH

※画像はイメージです
見た目の特徴:白〜黄褐色のまだら。生えたときからある
できやすい場所:6歳臼歯、前歯
こすると取れる?:取れない
受診の目安:定期的に経過観察
歯のフッ素症

※画像はイメージです
見た目の特徴:左右対称の白い線や斑点
できやすい場所:複数の歯に同じように出る
こすると取れる?:取れない
受診の目安:見た目が気になれば相談
歯垢・歯石

※画像はイメージです
見た目の特徴:白〜黄白色の、表面にのった塊
できやすい場所:下の前歯の裏側、歯と歯茎の境目
こすると取れる?:歯垢は取れる/歯石は取れない
受診の目安:歯石があればクリーニングを
ホワイトニング後の白斑

※画像はイメージです
見た目の特徴:ホワイトニング直後に白い斑点が目立つ
できやすい場所:もともと白斑があった部分
こすると取れる?:取れない(時間とともになじむことが多い)
受診の目安:施術した医院に相談
原因① 初期むし歯(脱灰・C0)
歯の一部がツヤのない白色に変わっている場合、もっとも注意したいのが初期むし歯です。むし歯菌が出す酸によって歯の表面からミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」が起きると、エナメル質の内部がスカスカになり、光の反射が変わって白く濁って見えます。
歯と歯茎の境目や、矯正後にできやすい理由
歯と歯茎の境目は歯垢が残りやすく、酸にさらされる時間が長くなりがちです。また、ワイヤー矯正の装置がついていた周りも歯ブラシが届きにくいため、装置を外したあとに白い跡(ホワイトスポット)が見つかることがあります。
歯科検診で「C0」と言われたら
穴があく前の初期むし歯は、歯科検診で「C0(シーオー)」と記録されることがあります。この段階であれば、削らずにフッ化物と毎日のケアで再石灰化(溶けたミネラルが戻ること)を促し、進行を止められる可能性があります。C0〜C4の意味は歯科検診の「C」の意味とは?C0〜C4の虫歯進行度と治療法で詳しく解説しています。
原因② エナメル質形成不全・MIH
歯が生えてきたときから白や黄褐色のまだらがある場合は、エナメル質形成不全が考えられます。歯の表面のエナメル質は、あごの骨の中で歯がつくられる時期にできあがります。この時期に全身の病気や高熱、栄養状態、乳歯の外傷などの影響を受けると、エナメル質が十分に硬くならず、白く濁ったり黄褐色に見えたりします。
なかでも、6歳臼歯(第一大臼歯)と前歯に見られるものを「MIH(臼歯切歯低石灰化症)」と呼びます。MIHの歯はエナメル質がもろく、むし歯になりやすい・しみやすいといった特徴があるため、お子さまの場合は定期的な経過観察とフッ化物の活用が大切です。
エナメル質がもろい・薄い歯についてはエナメル質が薄くなるとどうなる?もあわせてご覧ください。
原因③ 歯のフッ素症(斑状歯)
歯がつくられる時期に、フッ素を長期間・過剰にとった場合に起こるのが歯のフッ素症です。複数の歯に左右対称に白い線や斑点が出るのが特徴です。
日本では水道水にフッ素を加えていないため、ご家庭での歯みがき剤の使用で起こることはまれです。年齢に合った量の歯みがき剤を使っていれば、過度に心配する必要はありません。
原因④ 歯垢・歯石(白い塊・白いもの)
「歯に白い塊がついている」「歯の表面に白いものがつく」という場合は、歯垢や歯石であることが多いです。歯垢(プラーク)は細菌のかたまりで、歯ブラシでこすると取れます。歯垢が唾液中のミネラルで硬くなったものが歯石で、こうなると歯ブラシでは取れません。
歯石は下の前歯の裏側や、歯と歯茎の境目につきやすく、そのままにすると歯周病の原因になります。歯石は歯科医院のクリーニングで取り除けます。爪や先のとがった道具で無理に取ろうとすると、歯や歯茎を傷つけるのでやめましょう。詳しくは歯のクリーニングをご覧ください。
原因⑤ ホワイトニング後に白い斑点が目立つ場合
ホワイトニングの直後は歯の水分が一時的に減るため、もともとあった白斑がくっきり見えることがあります。多くは時間とともに周囲の色となじんでいきます。ホワイトニング後の白い斑点については歯に出来た白い斑点とは?~「ホワイトニング」後の謎~で詳しく解説しています。
歯の白い部分を放置するとどうなる?
原因によって経過は異なります。
- 初期むし歯の場合:ケアが不十分なままだと脱灰が進み、穴のあいたむし歯(C1以降)になることがあります。穴があくと削る治療が必要になります。
- エナメル質形成不全・MIHの場合:白い部分そのものが大きくなることは少ないですが、むし歯や欠けが起こりやすい状態です。
- 歯石の場合:歯茎の炎症や歯周病の進行につながります。
見た目だけでは原因を正確に区別できないため、「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、一度歯科医院でチェックを受けましょう。
歯の一部が白いときの治療法
治療法は、原因・白斑の深さ・範囲・ご希望によって選びます。主な方法は次のとおりです。
再石灰化を促す(フッ化物の活用)
初期むし歯(C0)に対して行う、削らない方法です。歯科医院でのフッ化物塗布や、フッ化物濃度の高い歯みがき剤(1,450ppm)の使用、歯みがき指導などを組み合わせ、数か月単位で経過をみます。白さが完全に消えるとは限りませんが、むし歯の進行を抑えることが目的です。
コンポジットレジン(白い詰め物)
白い部分を必要な範囲だけ削り、歯の色に近い樹脂で修復する方法です。むし歯の治療として行う場合は保険が適用されることがあります。年数がたつと変色したり、すり減ったりすることがあります。
見た目を重視して、自費の材料で色や形を細かく再現する方法を「ダイレクトボンディング」といいます。当院の費用(税込):ダイレクトボンディング 33,000円/1歯
ラミネートベニア・セラミック
白斑の範囲が広い場合や、色や形もあわせて整えたい場合の選択肢です。歯の表面を薄く削り、セラミックを貼りつけます。保険適用外の治療で、強い力がかかると割れたり欠けたりするリスクがあります。
当院の費用(税込):ラミネートベニア 126,500円/1歯、セラミックの被せ物 93,500円〜159,500円/1歯
ホワイトニング
歯全体を白くして、白斑との色の差を目立ちにくくする方法です。ただし前述のとおり、施術直後は白斑が一時的に目立つことがあります。保険適用外の治療で、施術後に一時的に歯がしみることがあります。当院の費用(税込):オフィスホワイトニング 16,500円/回〜、ホワイトニングコース 69,300円(1か月コース)〜。ホワイトニングの安全性についてはホワイトニングをすると歯がもろくなる?をご覧ください。
保険適用外の治療の費用は料金表をご覧ください。保険が適用できるかどうかは、診察のうえでご説明します。審美的な治療については審美歯科・ホワイトニングのページでもご紹介しています。
白い斑点を増やさないために自宅でできること
- フッ化物配合の歯みがき剤を使い、みがいた後のうがいは少量の水で1回程度にする
- 歯と歯茎の境目は、歯ブラシを小刻みに動かしてていねいにみがく
- 歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシで清掃する
- 甘い飲み物や酸性の飲み物を、だらだらと長時間飲み続けない(酸による歯への影響は酸蝕症とはで解説しています)
- 3〜4か月に1回を目安に、歯科医院で定期検診とクリーニングを受ける
当院での診察の流れ
クレモト歯科なんば診療所では、歯の白い部分についてのご相談の際、次のような流れで診察しています。
- 問診:白い部分に気づいた時期、ホワイトニングや矯正治療の経験、しみる症状の有無などをうかがいます。
- 診査:歯の表面を乾燥させた状態で白斑の範囲や質感を確認し、必要に応じてレントゲン撮影を行います。
- ご説明:原因として考えられること、経過観察でよいのか治療が必要なのか、治療する場合の方法・費用・期間・リスクをご説明します。
予防を中心とした通院については予防歯科、お子さまの歯の白斑については小児歯科のページもご覧ください。
歯の一部が白いことに関するよくある質問
Q. 歯の白い斑点は自然に消えますか?
A. 初期むし歯による白斑は、フッ化物の活用と適切なケアで再石灰化が進み、目立ちにくくなることがあります。ただし、完全に消えるとは限りません。エナメル質形成不全やフッ素症による白斑は、自然に消えることはほとんどありません。
Q. ホワイトニングをすれば白い斑点は目立たなくなりますか?
A. 歯全体が白くなることで白斑との色の差が小さくなり、目立ちにくくなる場合があります。一方で、施術直後は白斑が一時的に強調されることもあります。白斑の状態によって向き不向きがあるため、事前に歯科医院で相談することをおすすめします。
Q. 子どもの歯に白い斑点があります。むし歯ですか?
A. 初期むし歯の場合と、歯がつくられる時期に生じたエナメル質形成不全(MIHなど)の場合があります。生えてきたときからある白斑は形成不全の可能性があり、むし歯になりやすい歯でもあるため、歯科医院で確認し、定期的に経過をみることが大切です。
Q. 歯についた白い塊は自分で取ってもいいですか?
A. 歯ブラシで取れるものは歯垢なので、ていねいにみがけば問題ありません。歯ブラシで取れない硬い塊は歯石の可能性が高く、爪や道具で無理に取ると歯や歯茎を傷つけるおそれがあります。歯科医院でのクリーニングで取り除きましょう。
Q. 歯の白斑の治療に保険は使えますか?
A. むし歯の治療として白い詰め物(コンポジットレジン)で修復する場合などは、保険が適用されることがあります。見た目の改善を目的としたダイレクトボンディング、ラミネートベニア、セラミック、ホワイトニングは保険適用外です。どの治療が適しているかは、診察のうえでご説明します。
まとめ
- 歯の一部が白い原因は、初期むし歯(脱灰)、エナメル質形成不全・MIH、歯のフッ素症、歯垢・歯石などがある
- こすっても取れない、ツヤのない白さは初期むし歯の可能性がある
- 初期むし歯なら削らずに再石灰化を目指せる場合がある
- 見た目の改善には、コンポジットレジン(ダイレクトボンディング)、ラミネートベニア、ホワイトニングなどの選択肢がある
- 見た目だけで原因を判断するのは難しいため、痛みがなくても歯科医院で確認を
この記事の監修者
呉本 勝隆(くれもと かつたか)
医療法人 時和会 理事長/クレモト歯科なんば診療所 院長
日本歯科保存学会 専門医。大阪大学大学院 歯学研究科 博士課程修了。大阪大学歯学部附属病院 保存科 医員を経て、クレモト歯科なんば診療所を開設。
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