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歯に何か挟まってる感じがするのに何もない…考えられる原因と受診の目安|歯科医師監修
この記事の結論
歯に何か挟まってる感じがするのに何もない場合、主な原因は歯周病による歯茎の炎症、歯と歯の間の見えないむし歯、詰め物・被せ物の段差、歯のヒビ(歯根破折)、根の先の炎症、食いしばりなどです。フロスで清掃しても違和感が数日以上続く場合、噛むと痛む・響く場合、歯茎が腫れている場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
「歯と歯の間に何か挟まっている気がするのに、鏡で見ても何もない」「フロスを通しても取れるものがない」。このような違和感は、食べ物が実際に挟まっているときとは違う原因で起きていることがあります。
この記事では、何もないのに挟まった感じがする原因と見分け方、自分でできる対処、受診の目安について、難波の歯医者「クレモト歯科なんば診療所」が解説します。食べ物が実際に挟まって痛む場合は歯の隙間にモノが挟まるとイタイ…むし歯じゃないのになぜ?をご覧ください。
症状別チェック表:あなたの違和感はどのタイプ?
違和感の出かたから、考えられる原因の見当をつけることができます。複数の原因が重なっていることもあるため、あくまで目安としてご覧ください。
歯茎がムズムズする、歯みがきで血が出る
考えられる原因:歯周病・歯茎の炎症
受診の目安:1〜2週間以内に受診
舌でさわるとザラつく、フロスがひっかかる・ほつれる
考えられる原因:歯と歯の間のむし歯、詰め物の段差
受診の目安:早めに受診
特定の場所で噛むとピリッと痛む、違和感がある
考えられる原因:歯のヒビ・歯根破折
受診の目安:早めに受診
歯が浮いた感じ、噛むと響く、歯茎にできものがある
考えられる原因:根の先の炎症(根尖性歯周炎)
受診の目安:早めに受診
朝起きたときに違和感が強い、あごが疲れる
考えられる原因:食いしばり・歯ぎしり
受診の目安:続くようなら相談
上の奥歯が複数まとめて重い、鼻づまりがある
考えられる原因:副鼻腔炎(上顎洞炎)の影響
受診の目安:歯科または耳鼻科で相談
顔が腫れている、発熱がある
考えられる原因:強い炎症
受診の目安:すぐに受診
原因① 歯周病・歯茎の炎症
何もないのに歯と歯の間に圧迫感がある場合、まず考えられるのが歯茎の炎症です。歯周病で歯茎が腫れると、歯と歯の間の歯茎が押し広げられたような感覚になり、「何か挟まっている」と感じることがあります。
また歯周病が進むと歯茎が下がり、歯と歯の間にすき間ができます。そのすき間に舌がふれる感覚や、細かな食べかすが入り込みやすくなることも、違和感の原因になります。歯周病は初期にはほとんど痛みがないため、違和感が受診のきっかけになることも少なくありません。詳しくは歯周病に関する説明と治療方法をご覧ください。
原因② 歯と歯の間の見えないむし歯・二次むし歯
歯と歯が接している面にできたむし歯は、鏡で見てもほとんどわかりません。むし歯で歯の表面がくぼんだり欠けたりすると、そこに舌や歯茎がふれて「何かある」と感じることがあります。フロスを通したときにひっかかる、ほつれるといった場合は注意が必要です。
以前に治療した詰め物や被せ物の下に、再びむし歯ができる「二次むし歯」でも同じような違和感が出ます。詳しくは虫歯の再発率は80%以上!?をご覧ください。
原因③ 詰め物・被せ物の段差や不適合
詰め物や被せ物と歯の境目に段差やすき間があると、舌や歯茎がそこを「異物」として感じとることがあります。また、隣の歯との接触がゆるくなると、食べかすが入り込みやすくなり、何もないときでも違和感が残りやすくなります。
古くなった詰め物は、すり減りやすき間によってむし歯の原因にもなります。詰め物の素材による違いは歯の詰め物の種類についてで紹介しています。
原因④ 歯のヒビ・歯根破折
特定の場所で噛んだときだけ違和感や痛みが出る場合は、歯にヒビが入っている可能性があります。とくに神経をとる治療(根管治療)をした歯は、時間とともにもろくなり、歯の根が割れる「歯根破折」が起きることがあります。
歯根破折では、割れ目から細菌が入り込んで歯茎が腫れたり、歯茎にできものができたりします。ヒビは肉眼やレントゲンでは見つけにくいことがあり、拡大して確認できるマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)が診断に役立ちます。詳しくはマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の世界とはをご覧ください。
原因⑤ 根の先の炎症(根尖性歯周炎)
むし歯が神経まで進んだ歯や、以前に根管治療をした歯の根の先に炎症が起きると、「歯が浮いた感じ」「噛むと響く」「何か挟まっているような圧迫感」が出ることがあります。
炎症が続くと、歯茎に膿の出口(フィステル)ができることもあります。痛みが強くないため様子をみてしまいがちですが、放置すると根の周りの骨が溶けて、歯を残すのが難しくなる場合があります。歯茎のできものについては歯茎にできものができた原因とは?、根の治療については根管治療(精密根管治療)のページをご覧ください。
原因⑥ 食いしばり・歯ぎしり
寝ているあいだの歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりによって歯に強い力がかかり続けると、歯を支える組織(歯根膜)が圧迫されて「歯が浮いた感じ」や「挟まったような違和感」が出ることがあります。朝起きたときに違和感が強い、あごが疲れている、といった場合は、食いしばりが関係しているかもしれません。必要に応じて、就寝時のマウスピースなどで歯への負担を減らします。
原因⑦ 実際に小さな食べかすや歯石が残っている
鏡で見えないほど小さな食べかすや、歯と歯の間についた歯石が違和感の原因になっていることもあります。食べ物が同じ場所に繰り返し挟まって痛む場合は「食片圧入(しょくへんあつにゅう)」の可能性があり、こちらの記事で原因と改善方法を解説しています。
上の奥歯の違和感は、鼻の病気が原因のことも
上の奥歯の根は、鼻の横にある空洞(上顎洞)のすぐ近くにあります。副鼻腔炎(上顎洞炎)になると、上の奥歯がまとめて重く感じたり、浮いた感じがしたりすることがあります。鼻づまりや鼻水をともなう場合は、歯科で歯の原因がないかを確認したうえで、耳鼻科の受診も検討しましょう。
自分でできる対処と、やってはいけないこと
まず試してほしいこと
- デンタルフロスや歯間ブラシを、やさしく歯と歯の間に通す
- ぬるま湯でしっかりうがいをする
- 歯と歯茎の境目を、やわらかめの歯ブラシでていねいにみがく
- 違和感のある側で硬いものを噛むのを控える
やってはいけないこと
- 爪楊枝やピンなど先のとがったもので強くつつく(歯茎を傷つけ、炎症を悪化させるおそれがあります)
- 違和感のある場所を舌や指で何度もさわる
- 市販の痛み止めで症状をごまかし続ける
- インターネットの体験談だけを頼りに、長いあいだ様子をみる
すぐに歯科医院を受診すべきサイン
次のような場合は、早めに歯科医院を受診してください。
- フロスや歯みがきをしても、違和感が数日以上続く
- 噛むと痛い、響く、歯が浮いた感じがする
- 歯茎が腫れている、膿が出る、できものがある
- 根管治療中の歯、または以前に根管治療をした歯に違和感がある
- 冷たいもの・温かいものがしみる
顔が腫れている、発熱がある、口が開けにくいといった場合は、強い炎症が起きている可能性があるため、すぐに受診してください。当院では急な症状についてもお電話でご相談を受け付けています。急な痛みへの対応は難波で急な歯の痛み、当日診療は可能?もご覧ください。
歯科医院で行う検査
「何もないのに挟まった感じがする」という違和感は、原因を突き止めることが治療の第一歩です。クレモト歯科なんば診療所では、主に次のような検査を組み合わせて原因を調べます。
- 視診・触診:歯茎の腫れ、詰め物の段差、歯と歯の接触の状態を確認します。
- 歯周ポケット検査:歯と歯茎のすき間の深さを測り、歯周病の進行度を調べます。
- 打診・咬合の確認:歯を軽くたたいたり噛んでもらったりして、根の先の炎症やヒビの有無、噛み合わせの状態を確認します。
- レントゲン撮影:歯と歯の間のむし歯、根の先の病変、骨の状態を確認します。
- マイクロスコープによる精密検査:肉眼では見えにくいヒビや詰め物のすき間を、拡大して確認します。
根の先の炎症や歯根破折が疑われる場合も、すぐに抜歯と判断するのではなく、歯を残せる可能性を検討します。当院では、できるだけご自身の歯を残す治療に力を入れています。詳しくは抜歯するしかない?その前に知ってほしい精密根管治療をご覧ください。
歯に挟まってる感じに関するよくある質問
Q. 何もないのに挟まった感じが続くのは病気ですか?
A. 一時的な違和感であれば心配ないこともありますが、数日以上続く場合は、歯周病、歯と歯の間のむし歯、詰め物の段差、歯のヒビ、根の先の炎症などが隠れていることがあります。痛みがなくても、歯科医院で原因を確認することをおすすめします。
Q. 奥歯だけ挟まっている感じがするのはなぜですか?
A. 奥歯は歯と歯の間の清掃がしにくく、歯周病やむし歯が起きやすい場所です。また、噛む力が強くかかるため、詰め物の段差や歯のヒビ、食いしばりによる違和感も出やすくなります。上の奥歯の場合は、副鼻腔炎が影響していることもあります。
Q. 歯茎に何か挟まっている感じがします。どうすればいいですか?
A. まずはフロスや歯間ブラシでやさしく清掃し、うがいをしてください。それでも違和感が残る場合は、歯茎の炎症や、歯茎の中に小さな異物や歯石が入り込んでいる可能性があります。無理につつかず、歯科医院で確認してもらいましょう。
Q. 様子を見ていても大丈夫ですか?
A. 清掃しても数日以上違和感が続く場合や、噛むと痛む、歯茎が腫れるといった症状がある場合は、様子をみずに受診してください。根の先の炎症や歯のヒビは、放置すると歯を残すのが難しくなることがあります。
Q. 何科を受診すればいいですか?
A. まずは歯科を受診してください。歯や歯茎に原因が見つからず、鼻づまりなどの症状がある場合は、耳鼻科の受診をおすすめすることがあります。
まとめ
- 何もないのに挟まった感じがする原因には、歯周病、見えないむし歯、詰め物の段差、歯のヒビ、根の先の炎症、食いしばりなどがある
- フロスやうがいで清掃しても違和感が数日以上続くなら、歯科医院で原因を確認する
- 噛むと痛む、歯茎が腫れている、根管治療をした歯の違和感は、早めの受診が必要
- 顔の腫れや発熱をともなう場合はすぐに受診する
- 爪楊枝などで強くつつくのは避ける
この記事の監修者
呉本 勝隆(くれもと かつたか)
医療法人 時和会 理事長/クレモト歯科なんば診療所 院長
日本歯科保存学会 専門医。大阪大学大学院 歯学研究科 博士課程修了。大阪大学歯学部附属病院 保存科 医員を経て、クレモト歯科なんば診療所を開設。
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