1.歯周病とは

歯周病とは簡単にご説明すると細菌の感染によって歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

歯と歯肉の境目の清掃(ブラッシング)が不十分だと、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり腫れたりします。しかしほとんどの場合痛みはありません。
歯周病は大した初期症状がなく進行していくことから、「サイレントキラー」とも呼ばれます。
その結果、厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成29年(2017)調査によると、「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、398万3,000人で、前回の調査よりも66万人以上増加しました。
性別では、男性162万1,000人、236万6,000人で、女性の方が男性よりも多くなっています。

【参考】 ※2017年厚生省調査レポート

【目次】
 

 

1-1歯周病に罹患すると
細菌が出す毒素によって歯肉だけではなく、歯を支える組織であるセメント質、歯根膜、歯槽骨まで炎症が広がると歯を支えきれなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

1-2歯周病セルフチェック

自分は歯周病ではない!・・・こう思われる方は一度下記のチェックシートをご覧ください。

【歯周病チェックシート】
✔歯を磨いたときや固いものを食べたとき、歯ぐきから出血する。
✔歯ぐきがはれている。
✔指で歯をさわるとグラグラ動く感じがする。
✔歯と歯の間に食べものが挟まる。
✔歯が長くなったような感じがする。
✔歯磨きをすると歯ぐきが痛い。
✔冷たいものを飲むと、むし歯でもないのにしみる。
✔口臭を指摘された事がある。

もし「ひとつでも」当てはまる項目があれば、歯周病の可能性があります。

 

1-3歯周病を放置すると・・・

最終的に歯が抜け落ちる歯周病ではありますが、「歯が抜けるだけ」とそんな単純な物ではありません。

歯周病の原因となるのは、歯垢と呼ばれるネバネバした粘着物ですが歯垢は細菌です。この歯垢は時間とともに量が多くなり、酸素が少ない状態になると嫌気性菌(けんきせいきん)と呼ばれる菌が多くなります。
嫌気性細菌は、粘膜が損傷されると病気を引き起こすことがあります。 口腔内から毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となることがあります。
炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。

【参考】 ※厚生労働省e-ヘルスネットより

2.歯周病の治療方法

歯周病の原因は歯垢です。歯垢を取り除かなければ歯周病の進行を止めることができません。
そこでまずは大元の原因となる歯垢や歯垢が固まる事でできる歯石を取り除く「歯周基本治療」を行います。

2-1軽度の歯周病治療
軽度歯周病は歯周ポケットの数値が4~5ミリです。出血や腫れがでてくる可能性があります。
治療方法
歯肉の外に見えている部分のプラークコントロールや表面だけの簡単な歯垢除去だけで治療が可能になります。


2-2中度の歯周病治療
中度歯周病は歯周ポケットの数値が6~7ミリです。出血や腫れに加えて動揺が起こる可能性があります。
治療方法
丁寧な歯磨き、歯石除去に加えて、歯肉に麻酔をして歯肉縁下の歯根に付着した歯石を除去するための SRP(スケーリング・ルートプレーニング)が必要になります。
また、SRP で除去出来ない歯石は歯周外科治療で除去することもあります。

2-3重度の歯周病治療
重度歯周病は歯周検査の数値が8ミリ以上です。著しい腫れ、動揺や痛みが生じる可能性があります。
治療方法
外科的なアプローチも含めて可能な限り歯を残すことを目標としますが・・
周病が重度に進行していたり根の破折などで感染源が除去できず、炎症を抑制出来ない場合には、やむを得ず抜歯をお勧めすることもございます。

2-4歯周病治療の流れ

 

3.歯周病治療の目的

①原因となる歯垢(細菌のかたまり。プラークとも呼ばれる)や病変部の除去

②低下した口腔機能の回復

③歯周病進行を防ぐ

④歯周組織の治癒促進

4.当院の歯周病治療

クレモト歯科なんば診療所歯周病治療

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5.まとめ

歯周病は歯が抜けるだけの軽い病気ではありません。1-3歯周病を放置すると・・・にも記載いたしましたが
口腔内から毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となることがあります。
さらには口臭の原因となり、その臭いは、ガスの種類により異なりますが、腐った玉ねぎ・腐った卵・生ごみなどと似たような臭いがします。 
いつもオシャレな人でも、どんな素敵な人でも口臭がすると・・・なんとも言えないですよね💦
そうならないためにも今は自覚が無くてもお近くの歯医者に定期的に通院されることをお薦めさせていただきます!

監修医
歯科医師 森雄基

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