「歯科医院で歯のクリーニングをした後は、ツルツルして気持ちがいい!」
「歯の意識が上がる」
など嬉しいお言葉をかけていただくことが多くあります。
実はこのクリーニング、汚れを除去しているだけではなく、汚れをつきにくくしたり、歯の健康を守っていく上でとても重要な役割を果たしているんです。本日は「歯科医院で行うクリーニング」について説明していきたいと思います。
クリーニングとは?
おおまかに言うと歯に付着した汚れ、プラーク(=歯垢)や歯石を落とし、きれいにすることです。毎日歯磨きをしている人がほとんどだと思いますが、歯磨きだけでは約70%程しか汚れを除去できません。残ってしまったプラークを、専用の機械や器具を使って除去します。
そしてプラークとは細菌の塊です。放置して良い事は何もありません。特に、歯ぐきの溝の中はプラークが溜まりやすく、専用の器具を使用しないと汚れは除去できません。
プラークがいずれ歯垢になり、歯垢を放置していると歯石に代わり歯周病の原因となります。
口の中や歯ぐきの溝に隠れている細菌を除去し、口腔内を清潔に保つことがクリーニングの大きな役割の一つだと言えるでしょう。
クリーニングの内容
国家資格を持った歯科衛生士が検査を行い、専用器具を使用し、確かな技術でお口のお掃除を行います。
①歯周ポケット検査
「プローブ」と呼ばれる専用の器具を使って歯周ポケットがどのくらいなのか、深くなっているところはないかなど歯周病の進行具合を検査します。
【参考】
歯周ポケットの深さと歯周病の進行
3~4mm(軽度)自覚症状がほとんどない
5~7mm(中度)出血や歯茎の腫れがある
8mm以上(重度)歯磨きをしていて歯茎が痛む。痛みがなくても骨が溶けている可能性もあります。
②スケーリング ( 歯石除去 )
超音波スケーラー、あるいはハンドスケーラーと呼ばれる歯石取り専用の器具をしようし、歯石またはプラークを除去します。
③ PMTC ( 歯面研磨 )
歯石を除去した後の歯面はザラザラになり、すぐに汚れがついてしまったり歯石もつきやすい状態になります。
専用のブラシやカップ、研磨剤を使い歯面をツルツルの状態にし、汚れをつきにくくします。
④歯間清掃
歯と歯の間やすき間の歯垢はフロスや歯間ブラシなどを使い、汚れを落としていきます。
⑤歯肉マッサージ
専用のペーストを使い、歯肉をマッサージしていきます。
歯肉マッサージは歯肉の血行を促進する効果や歯肉を引き締める効果があり歯周病予防に効果があります。
クリーニングの効果
①歯周病予防
歯に関心のある皆さまには有名なお話しですがアメリカ、ヨーロッパでは、むし歯にならないために歯科医院に通います。
一方日本人は歯が痛くなってから歯科医院に通います。
結果、80歳を迎えた時の歯の残存本数平均は
ヨーロッパ・・・25本
日本 ・・・8.8本
歴然たる差が生まれます。
②口臭予防予防
歯周病によって口臭が発生するのは、「メチルメルカプタン」と呼ばれるガスのせいです。
歯周病菌は、食べかすなどに含まれるたんぱく質を分解する過程でこのガスを作り出すのですが、ニオイがとても強烈なのです。
一般的には“腐った玉ねぎのようなニオイ”と表現されます。 これは重症化せずとも生じる歯周病の症状です。
③本来の歯の色を取り戻せる
見た目がキレイになるのもクリーニングのメリット。
歯のクリーニングをすれば歯石などの汚れが取り除かれ、見た目が綺麗になります。さらにタバコやワイン、コーヒーといった
飲食物による色素の沈着も定期的な歯のクリーニングで落とすことが可能です。
※ただし、歯のクリーニングにホワイトニング効果はありません。
まとめ
本日は歯医者のクリーニングについてまとめさせていただきました。
歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
口腔ケアを自分一人できちんと行うのはほぼ不可能と言われています。最低でも半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。