こんにちは、勤務医の鍵岡です。

今回のコラムでは、子供の歯(乳歯)の根の病気と大人の歯(永久歯)の関係についてお話ししたいと思います。少しマニアックなお話になりますが、暫くの間お付き合いください。

乳歯、永久歯に関わりなく、虫歯にもなれば根の病気にもなります。ここでいう根の病気とは、虫歯が歯の神経に及んで神経がいたんでしまったり、虫歯菌が根の先に達し、根の先にある骨が炎症で溶けてしまったりすることです。これらは“歯髄炎”、あるいは“根尖性歯周炎”といわれるものです。乳歯に起こったこれらの根の病気、特に後者、根尖性歯周炎を放置しておくと、後々生えてくる永久歯に影響を及ぼし、歯の形が変わってしまうことがあります。なぜなら、永久歯は乳歯の根のすぐ先に埋まっているからです。

乳歯の根尖性歯周炎がその下に埋まった永久歯に影響を及ぼし、永久歯の形態に異常が生じること、ないしは異常が生じた歯を『ターナー歯』と呼びます。そうした歯は強度が落ちたり虫歯になりやすかったりするので、永久歯を守るためにも、乳歯の虫歯は根に炎症が進む前にいち早く治療することをおすすめします。

お子さんの虫歯を治したい、あるいは虫歯がないか診てほしい、といったときにはお気軽にお声がけください。