一言に歯が痛いといっても様々な痛みがあると思います。
「何もしていなくても歯が痛い」
「食べている時に痛む」
「冷たい物で歯がしみる」
歯が痛いと「むし歯かな?」と思いがちですが、実は歯の痛みを起こす原因はむし歯だけではありません。
原因として多いのは、むし歯や歯周病をはじめとする歯科疾患ですが、歯以外に原因があることもあります。その場合は対処方法、治療法も大きく異なってきます。今回は、歯痛の原因と、歯痛にどう対処すれば良いのかについてご紹介していきます。

【目次】

1.痛みの原因


 1-1むし歯(う蝕
  1-1-1むし歯(う蝕)の進行と治療方法
 1-2根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
 1-3歯周病 
     1-3-1歯周病の主な原因
 1-4知覚過敏
     1-4-1知覚過敏の主な原因
 1-5不正咬合

2.歯が痛みだした時の対処方法

 2-1早めに歯医者に通う
 2-2痛み止めを服用する
 2-3痛み軽減のツボを押してみる
 2-4冷やしてみる

3.まとめ

1.痛みの原因

1-1むし歯(う蝕)
むし歯は、口の中に存在するむし歯の原因菌(ミュータンス菌)が作る酸が歯のカルシウムを溶かし、やがて穴があいてしまう病気です。
原因菌である細菌(ミュータンス菌)は、歯に付着後歯垢(プラーク)を作り、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作ります。
この酸が、エナメル質の内部から歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし始めます。(これを「脱灰(だっかい)」といいます)
 
1-1-1むし歯(う蝕)の進行と治療方法
ごく初期の虫歯です。しみる、痛むといった症状があらわれないので、ご自身で気づくのは困難です。歯科医院での検診で見つかる場合があります。
【治療法】
歯の表面にフッ素を塗布します。
歯の表面(エナメル質)が溶けて、小さな穴があきます。この段階も痛みがなく、自分で見つけるのは困難です。
【治療法】
虫歯に冒された部分(患部)を削って、そこを詰め物で補います
エナメル質の奥にある象牙質が溶けている状態です。神経に近いので、甘いものや冷たいものなどがしみるようになります。
【治療法】
患部を削って型取りをし、詰め物や被せ物で補います。
象牙質が溶けきると虫歯菌が神経まで達し、強い痛みが生じます
【治療法】
麻酔をして、患部を大きく削り、神経をとります(根管治療といいます)。
>>根管治療についてくわしくはこちら
歯の神経が壊死してしまった状態です。痛みがいったん落ち着きますが、膿がでると再び激痛が走ります。
【治療法】
抜歯後に、被せ物や入れ歯、インプラントを入れて補います。
1-2根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)
むし歯により歯の中の神経(歯髄)にまで感染が進み、歯根の先端周囲に炎症を起こして膿を溜めている状態です。
一度治療を中断したり、過去に小さな痛みを痛み止め等で一旦痛みが収まった後によく見られます。
膿が溜まっていても、慢性化していて痛みを出さないことも多く、何らかのきっかけで痛むとかなりの激痛になるケースが多いです。
1-3歯周病
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
成人の約8割が疾患されているとされる国民病とも呼べる疾患です。
1-3-1歯周病の主な原因
歯垢と歯石:歯に付着する細菌の塊である歯垢が、歯周組織への感染原因となります 。
日々の口腔ケア不足:磨き残しにより残った細菌がリスクを高めます。
喫煙:喫煙は歯周病の進行を促進させる可能性があります。
遺伝的関与:遺伝的傾向も歯周病の発症に関与する関与の一つです。
1-4知覚過敏
特にむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がなくとも歯ブラシの先端が軽く当たったり、冷たい物が沁みる場合にみられる症状を言います。
1-4-1知覚過敏の主な原因
象牙質の露出:歯のエナメル質の減少や歯ぐきの退縮により、歯の神経に近づいてしまうことがあります。
過度の歯みがき:過度な力で歯がみがき、硬い歯ブラシを使ったりすることでエナメル質が減少し、知覚過敏が生じることがあります。
虫歯や歯周病:虫歯や歯周病が進行すると、歯の組織が破壊され、知覚過敏が発生することがあります。
歯磨き粉の選択:歯磨き粉に含まれる過剰な研磨剤や漂白剤が、知覚過敏を発症させる場合が稀にあるようです。
1-5不正咬合
歯並びや噛み合わせの状態が良くない状態の総称をいいます。 歯並びが悪いことで細菌が溜まりやすく口腔内のトラブルを引き起こしやすくなります。
2.歯が痛みだした時の対処方法
2-1早めに歯医者に通う
可能な状況であれば痛み出したら早めにお近くの歯医者に通ってください!むし歯は「絶対に」自然治癒はしません。
一時的に痛みが収まっても必ずと言っていいほど再発します。
2-2痛み止めを服用する
痛みが我慢できない場合には市販の痛み止めをとって痛みを緩和させましょう。ただし、一時的に痛みを抑えているだけですので時間を作って早めに歯医者に通いましょう。
神経の炎症など強い炎症が起きていると全くきかない場合もあります。
2-3痛み軽減のツボを押してみる
血海(けっかい): ひざの内側、皿から指4本分くらい上
三陰交(さんいんこう): 足の内側のくるぶしの上
気海(きかい): おへそから指1〜2本分下
腎兪(じんゆ) :背中のあばら骨の一番下のおへその高さあたりに、背骨から左右指2本分のところ
2-4冷やしてみる
冷やして血行が阻害されて腫れや炎症を抑えます。いわゆるアイシング効果と呼ばれるものです。むし歯で炎症がおきている時は、身体の損傷した部分で血管の拡張や血液量の増加が見られ炎症が更に進行しようとします。
患部周辺での血液量が増加すると、神経を圧迫してさらに痛みが増すので血流量を少なくするために患部を冷やすことで痛みが和らいでいきます。
人間の身体は冷やすと血管を収縮させる交感神経の働きが高まり、患部に流れる血液量が少なくなります。そのため虫歯痛みが軽減される場合があります。
冷やす時は直接冷やさず氷をタオルや布で包み、頬の上から軽く当てるようにしてください!
3.まとめ
今回ご紹介したように歯が痛む原因はさまざま考えられますが、多くの場合は口腔内のトラブルが原因となっています。
歯の痛みは、先延ばしにするほど通院回数が増えます。更には痛みが増し、治療の際にも麻酔が効かなくなると治療中も激痛と戦うことになります。
また、歯以外のものが原因の場合でも、早めに歯科を受診することで、他の病気を発見できるきっかけとなりますので、歯に痛みを感じた場合には、できるだけ先延ばしにせず、歯科を受診するようにしましょう。
最後に歯医者に行かれたのはいつですか?
早めの通院をおススメさせていただきます!
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